子育て相談室⑧~反抗期への対応 その3
自分のことは自分で決めさせる 前回の記事でご紹介した通り、反抗期の本質は自立への欲求です。
であれば、望み通り自分のことを自由に決める裁量を認めましょう。あんまり危ないことや社会の規範から外れることは無理ですが、どこを受験したいのか、努力するのかしないのか、勝手にさせちゃいましょう。
ただし、責任とセットで。
自由には責任が伴います。だって、自分で決めたんですから。その結果、困ろうが後悔しようがそれは本人に任せましょう。もちろんアドバイスくらいはしてあげてもいいと思います。相談にのってあげるのも大事でしょう。しかし、最後は自分で判を押させてください。口が裂けても「親のせいだ!」なんて言えないように。
自分で決めて、自分で実行する。その結果が成功であれ失敗であれ、自分の意志で始めたことは必ずその後の糧となります。子どもが成長するためには絶対に必要な要素です。 なるべく早いうちに”決定させる”経験を積まさせた方が成長が早いです。仕事なんかでも責任ある立場を任されたことで成長する人がいるのと同じ理屈です。
しかし逆に、誰かに言われてやったことは何の糧にもなりません。なんでもなんでも親が決めてしまうと一向に成長しないばかりか、反抗期も苛烈なものとなります。子どもへの過干渉は厳禁と言われる所以です。
どれだけ良いアドバイスをしたところで、反抗期の子どもはどうせ親の言う通りになんてしませんし、喧嘩になるだけでろくな事にならないのでさっさと責任と一緒に決定権を渡してあげましょう。そうすれば、日々の衣食住のサポートだけしてあげればあとは勝手に成長します。
しかし当然のことながら、未熟な子どもに判断させると往々にして失敗します。それを受け止められるかどうか、親の度量が問われます。受け止められない人は結果が出る前に口や手を出してしまいます。その結果、親に言われた通りやった子どもは結果を我が事と考えることができません。親の意向に沿ってただやっただけですから、成功したら親のおかげで、失敗したら親のせいです。
成功体験ばかりがもてはやされていますが、それと同じくらい失敗の苦渋を味わうことも重要です。自分で決めて、実行し、結果をきちんと受け止める。 こうして得た経験は、何を勉強するより何を習うより人間を成長させます しかし、年齢が上がるほどにだんだんと失敗が許されなくなってきます。特に社会に出てからの、致命的な失敗は自分にも周囲にも多大なる影響を与えてしまうため全力で回避しなければなりません。 であればこそ、学生のうちに失敗の経験はしておくべきです。どんどん決定する機会を子ども与えていき、「そっちはやめたほうがいいんじゃない?」と思ったとしても、敢えて転ばせるくらいの度量を親ももたねばなりません。結果が出てから、一緒に反省してあげればよいのです。 時期が早ければ早いほど失敗の挽回は容易ですし、親の目が届く時期であればいざというときにフォローもできます。我が子になるべく失敗や苦労をさせたくない、というのが親心だとは思いますが、子どもの歩く道から石を取り除くようなことをしてしまうと成長の機会を奪ってしまうことにもなりかねません。
残念ながら、学校も社会もあなたの子どもが十分に成長するのを待ってはくれません。できようができまいが、受験や就職などのタイムリミットは今も刻一刻と迫っています。これら人生の節目に乗り越えられなければ、その後の人生においてどれほどの不利益があるかは皆様よくご存知かと思います。限りある成長の機会を無駄にしないように心がけてください。
親にとっても子離れの試練でもありますので、親子で一緒に成長していけるように頑張りましょう。
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