子育て相談室⑤ ~中学進学と2匹の鬼

中学進学に伴い、一般的に子どもの生活に大きな影響を及ぼすのが以下の3点です。



① 勉強の負担が飛躍的に上がる
② 部活動が生活の中心となる
③ 行動範囲が広がる


新しい学校における人間関係、小学校とは比べ物にならない拘束力をもつ部活動、スマホをもち、保護者を伴わず電車に乗っての遠出・・・。学校でも私生活でも、中学校に入ると小学校とは生活が大きく様変わりしていきますが、そうした新しい変化は当然学業にも及びます。



中学生になると教科数や内容が増えて子どもにとっての勉強に関する負担が大きくなります。とはいえ勉強するのは子どもなので、このこと自体は保護者には直接関係のない話ともいえます。そんな油断している保護者の背後に、足音を忍ばせた2匹の鬼が迫ります。



1.定期考査と通知表

昨今の幼稚園では、運動会で徒競走をさせずに「みんなでお手々つないでゴール」をさせるところもあるそうで、極力競争しないことを良しとする風潮があるようです。



そんな世界から、突然厳しい順位付けの世界にさらされるのが中学校で、人生で初めて定期テストや通知表という目に見える数値の形で同世代の子たちと順位付けをされます。この格付けはお子様に強い衝撃を与えることになりますが、実はお子様よりもその結果に強くショックを受けるのが保護者です。



12年かけて育て上げてきた可愛い我が子が否応なく他の子と比べられ、言い訳の効かない数値で評価される気持ちは一言では表せないものでしょう。人間の優劣は決してテストの点数などで測れられるものではないですし、こんなもので子どもに対する愛情が変わることなどないでしょうが、それでもなるべく不足なく与えてあげたいと思うのが親心というものです。



勉強に集中できるように、食事や環境づくりを行い、さらに勤めに出て稼いだお金で塾に通わし教育の機会を与える・・・。将来を案じればこそ、厳しい言葉で子どもを諌めなければならない場面もあるでしょう。しかし、そんな必死の想いの保護者に2匹目の鬼が襲いかかります。





2.反抗期

「わかってるよ!」「うるさいな!」


小学生のうちは素直だった子に反抗鬼が取り憑くといつ終わるとも知れぬ試練が始まります。 親が右と言ったから左を選ぶといった調子で、言っている内容が正しいかどうかは一切関係なく反発されます。愛情や心配からくる言葉掛けであっても例外ではなく、親から子どもへアドバイスをしようとしても



・喧嘩になる(女の子に多い)
・ガン無視される(男の子に多い)


といった結果になることが9割といったところでしょうか。さらには一番面倒をみてもらっている親にはこれ以上ないくらい憎まれ口を叩くくせに、他人にはやたら素直だったりするものですから親からしてみたら腹立たしいことこの上ありません。

「家事の手伝いはおろか、自分のことすらまともにやらず親に任せっきりなくせに、その憎たらしい態度は何事か!」

と喉から出かかっている保護者の方も多いのではないでしょうか。(ひょっとしたらすでに出てしまっているかもしれませんが、反抗期の猛威にさらされている保護者様の苦労を思えば決して責められることではないでしょう…)

この2匹の鬼はチームワークが抜群で、下手に戦うとあっという間に家庭を荒廃させてしまいます。この難敵とどう戦うか、次回は攻略法を考えていきたいと思います。

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