大学生講師について
特集:大学生講師について
一般に学生講師(非常勤講師)は常勤講師に比べて指導力や責任感が低いと思われがちですがそんなことはありません。長年社員で続けていても向上しない講師もいれば、学生でも高い能力をもち生徒に信頼されている講師もいます。学生である以上様々な制約はありますが、能力そのものは決して見劣りするものではありませんし、生徒と年が近いということは指導を行う上でメリットとなります。しかし、世間的に”学生講師”が低く評価されてしまうことが多いその原因を説明していきいます。
原因1:深刻な人手不足
学習塾では大学生を講師として起用することが多く、特に最近流行りの個別指導型の塾では9割以上の授業が大学生の講師に任されています。個別塾はその形態上多くの講師を必要するため人手不足に陥りやすく、講師の質にこだわってられないという実情があります。
参考記事①:ブラックバイト認定で業界危機、塾講師不足の深刻
参考記事②:塾に先生がいない
また、きちんと研修や育成をする期間もとれないためすぐに現場に放り込まれることが多くこれも質の低下に拍車をかけているといえるでしょう。指導のシステムや教材以前の話として、人材育成ができていないのです。このような場においては講師個々人の力量差が大きく出てしまうため、たまたま優秀な講師に当たればラッキーですが、逆の目を引くと悲惨なことになります。
原因2:雇用環境の悪さ
残念ながら学習塾業界というものはブラックバイトと呼ばれるほど雇用環境の悪いところが多く、大手の学習塾においても残業代が払われないところのほうが多いという信じがたい状況にあります。授業をしている時間以外の生徒からの質問を受けている時間や、授業の準備などしている時間は賃金が支払われないのです。(当然、労働基準法違反です)またスケジュールの融通も効かず、休みたいときは自分で代役となる先生を探すというような生徒側の都合を考えないような慣習を行っているところもあります。
参考記事③:個別指導塾でブラックバイトが横行するワケ
参考記事④:○○○○がブラック企業大賞2015にノミネート〜塾バイトの内情を告発〜
参考記事⑤:あの有名塾、講師が告発!労基署も是正勧告
こんな環境ですから、学生講師はバンバン辞めていきます。その結果人手不足になり、大量に新人採用を繰り返すことになります。このような環境で長期的な指導などできませんし、経験ある講師など育ちません。育つ前に辞めてしまうので。塾選びの際は、合格実績などよりも企業としての社会的な評判なども調べてみたほうがよいでしょう。従業員に告発されたり訴訟まで起こされている悪質なところに子どもを預けるのはおすすめできません。
TRAINの講師について
当塾でも大学生を講師として採用しており、それぞれに授業や業務を任せております。この件について保護者様より懸念を伝えられたこともありますが、[1][2]のような社会状況を鑑みれば当然といえるでしょう。そして、他にも同様のご心配をされている保護者様もいらっしゃるかと思われますので、TRAINは他とはひと味違うぞ!というところをアピールしてみようと思います。
1. まずは人選!
TRAINでは自塾の卒業生の中からやる気と適性のある者を選んだ上で講師として採用しております。自らも生徒として通っていたことから塾の雰囲気や方針などを十分理解しており、教務指導以外の研修にかかるコストを大幅に低減しています。また、元々顔見知りなので講師同士でもコミュニケーションが十分に取れるため、万が一の代講のときなどもスムーズに業務の引き継ぎが行えています。
2.常勤講師による監督・指導
「その日どのような小テストを行うのか」「授業はどこを進めるのか」「宿題は何を出すのか」「理解が遅れている子にはどのようなフォローをしていくのか」というような点において、新人講師に任せきりにしたりすることはなく全て常勤の講師が監督・指導を行っています。また、別の講師にフォローや補習を依頼するといったような横断的な指導を行っています。また、保護者様への対応は基本的に校長が行うことで教務指導に集中でいるようにしています。
3.驚異の離職率0%!
学生講師である以上大学卒業と同時に職を離れるのはやむを得ないところですが、逆に卒業までに離職した者はここ5年で1人もいません。これは超過労働にはきちんと賃金を払う(当たり前)、生徒に負担がかからない形で休みを取りやすくするといった健全な労働環境作りに特に留意している点が奏功している結果といえるでしょう。「顧客満足度を上げるにはまず従業員満足度を上げるべき」という経営理念の元、講師にも生徒にも良い流れを作っていければと考えております。長期に渡って続けていければこそ、経験やノウハウの蓄積がありますし、後進の育成を計画的に行うことができます。
他の業種を含めても、ここまで離職率の低い職場はなかなかないんじゃないでしょうか。
TRAINでは講師の数が増えたことにより、生徒の人数が増えてもきちんと指導できるようになりました。今年の夏期講習では中3の補習(授業ではない)で3~4人の講師をつけて丁寧にフォローすることもできましたし、多くの先生に習う中で自分の質問しやすい先生を見つけることができた生徒も多かったようです。質も量も、という欲張りな試みですが皆よく応えてくれていると思います。今後も指導の向上のため、卒業生の手を借りつつ新たな取り組みをしていきたいと思います。