中学生の親のための勉強会 ①
今回は中学生にとって通知表の評定(内申点)がいかに重要かを説明したいと思います。
※受験のシステムは都道府県によって異なるため、ここでは東京の公立中学の生徒を対象とした話になります。
1.中学校の卒業後の進路
このお話をする前にまず確認しておきましょう。日本の義務教育は中学校までで、通常受験をしなければ高校に進学することはできません。東京都の中学3年生の進学率は97.9%(東京都教育委員会平成24年度統計調査)ですので、ほとんどの中学3年生は高校受験をすることになります。
高校にはいくつか種類があり、一般的に受験する子が多いのは都立高校と私立高校の2種類になります。
都立高校と私立高校のメリット・デメリットはまたいずれ述べるとして、学費について見てみると
都立高校 | 私立高校 | |
---|---|---|
初年度納入金 | 8万円~18万円 | 平均87万円(平成22年) |
※進学研究会調査資料
と、圧倒的に都立高校の方が安いということと、日野市に私立高校が1つもないという地理的要因の影響で、豊田駅周辺の中学校(日野二中、日野四中、七生中、大坂上中)に通われている方は都立高校への進学を希望される方が多いです。
進路面談をしていても、この辺りの高校をご存じない方だとかなり高確率で
「自転車で通える範囲の都立高校がいいです。」
というお返事をいただきます。豊田周辺で自転車で通える範囲の都立高校だと、八王子東高校、日野台高校、南平高校、日野高校が挙げられます。(頑張ればもうちょっと遠くまで通えなくはないですが、雨が降ったりするとキツイです。)それぞれの高校の特色についてはまた改めて特集するとして、今回は都立高校の受験システムを説明します。
2.都立高校の受験システム
受験の仕方は学校によってけっこう違うのですが、今回はざっくりとよくあるタイプの一般入試と推薦入試に絞ってお話します。まずは下の表を見て、合否を決める要因を確認しましょう。
都立高校 | 私立高校 | |||
---|---|---|---|---|
一般入試 | 推薦入試 | 一般入試 | 推薦入試 | |
筆記試験 | 5科目(700点) | なし | 3科目 | なし |
内申点 | ○(300点) | ○ | - | ○ |
都立高校の一般入試は5科目の筆記試験(学力検査)を行います。この筆記試験の点数に、中学校の通知表による内申点を加えたもので合否を決定します。次に推薦入試ですが、こちらは学力検査を行わず面接・作文・内申点で合否を決定します。
つまり、都立高校に入ろうと思ったらどう転んでも
内申点が必要
ということになります。また、
都立高校は1回しか受験できない
ので、都立入試に運悪く落ちてしまったときの保険としてすべり止めの高校を作るために、
都立受験をする人はほぼ全員私立の推薦入試を受けることになります。(←これ、何気に気づいていない人が多いので知っておいてくださいね!都立を目指すあなたのお子さんは、私立も受験するんです!)
勘の良い方はここまで読んでお気づきかと思いますが、まとめてみましょう。
- 日野市の中学生は都立を第一志望とする子が多い
- 第一志望となる都立に受かるには内申点が必要
- すべり止めの私立に受かるにも内申点が必要
つまり
内申点がないと第一志望はおろか、すべり止めも受からない
=高校に行けない
なんてことになりかねないということです。
通知表の保護者通信欄に「頑張ってほしいと思います。」なんて何気なくコメント書いてる場合じゃありません!中学1年の段階から自分の子供の内申点をしっかり確認して現状でどのあたりのランクの高校が適正ラインなのかということを把握しておかないと、中学3年になった頃に目標を立ててもすでに手遅れ、なんてことになりかねません。しかし、いくら通知表を眺めてみたところで、我々のような受験業界に身を置いているならまだしも、一般家庭の普通の親御様が通知表の数値から我が子の高校~大学までの未来を予測することは非常に困難です。学習塾TRAINのブログ「STUDY HARD」ではこれから何回かに分けて通知表の見方(日野市版)を連載していくので、ぜひご一読ください。
次回は内申点ごとの適正高校をご紹介します。