中学生の親のための勉強会 ④
今回は学校の成績をいかに上げるか、という話の続きです。前回は学校の授業以外での勉強についてお話しましたが、今回は学校の授業をいかに有意義なものにするかについて考えてみたいと思います。前回記事を読んでいないかたはぜひ先にそちらをお読みください。
中学生の親のための勉強会 ③
内申点をとるためには
中学校の成績の評価基準の名目をおさらいしてみましょう。
① 定期テストの点数
② 宿題や作品等の提出物
③ 授業態度
前回は①について、「学校の成績を上げるためにはテストの成績を上げないとね!」という至極当然なお話だったのですが、今回は特に②と③について説明させていただきます。
学校の成績を上げるには
テストも含めて、学校の成績というものは
・普段の授業をどれくらい理解しているか
・授業にどれくらい関心と意欲をもって参加しているか
という点が評価されています。つまり、
学校の授業に真面目に参加し、かつ十分に理解する
ことが成績を上げる上で何よりも重要です。
そのためにはどのような点を心がければよいかというと・・・
学校の授業に真面目に取り組みなさい(-_-)
ということに尽きます。「何当たり前のこといってんだ。」というつっこみが聞こえてきそうですが、できてないんですよ、これが。
「僕はちゃんと授業受けてるのに評価してもらえないんです。」という子に限って
授業を真面目に受ける=授業中立ち歩いたり喋ったりしない
だと勘違いしていたりします。「授業を真面目に受ける」ということは「立ち歩く」だの「しゃべる」だのそんな論外なレベルの話じゃないんです!
① 授業中は常に先生の方を向いて熱心に話を聞く
② ノートを丁寧に書いて、板書されないこともメモする
③ 積極的に質問、発言し授業に「参加」する
④ 作品づくりはテーマを理解し精一杯取り組む
⑤ 用具の準備や片付けは率先して参加する
これだけのことを完璧にこなして初めて「まじめに授業を受けた」と評価してもらえるんです!
授業中ただ静かにすわって時間が過ぎるのを待つことを「まじめに授業を受ける」とはいいません。これ全部やるのはかなり大変なはずですよ!平常点(授業態度による評価)を上げるのは並大抵ではありません。なるべく早い段階から、できれば小学生のうちに「授業の受け方」を訓練しておきましょう。
授業の受け方度チェック
お子様がちゃんと授業を受けられているか、前項の①と②については簡単にチェックできます。お子様が家に帰ってきたら早速以下の質問をしてみましょう。
「今、歴史の授業は何時代について勉強してる?」
「一番最近の国語の授業ではなんていう文章を読んだ?」
「今日の授業は何の科目だった?1限目から順番に言ってごらん。」
3番目の質問に答えられない場合はかなり重症です。授業に参加しておらず「ただ座っているだけ」になってしまっている可能性が高いです。授業に真面目に取り組めない理由は「学習に対する意欲が低い」「授業が難しくて理解できない」「寝不足で授業に集中できない」「内容が簡単すぎてつまらない」など様々で、原因を特定して対処する必要があります。授業をちゃんと受けられていないと平常点(授業態度による内申点)が下がるだけでなく定期考査の点数も大幅に下がりますので、なるべく早く対策をしてあげましょう。
学校の授業は最高のテスト対策
私は学習塾で指導する立場ですが、生徒には常々「まず学校の授業をちゃんと受けなさい」と指導しています。学校の定期テストは「学校の授業で扱った内容」が出題されるので学校の授業をちゃんと受けるのが何よりものテスト対策になるからです。テストを作る先生が、テストの範囲の内容を指導しているのですからこれ以上の対策授業は他にありません。
「塾に通っている」ということに安心感をおぼえ、学校の授業を疎かにしてしまっては本末転倒です。せっかく人生の大半の時間を費やして学校で授業を受けるわけですから、もっとその時間を大切にしなければいけません。
「部活が忙しくて勉強時間が足りない」
「時間をかけて勉強しているのに成果が上がらない」
という話をよく聞きますが、学校の授業の受け方に問題がある場合がほとんどです。特に授業をちゃんとうけているかいないかは実技科目の点数に顕著に現れます。実技科目の筆記テストは「授業でやったこと」が出題されるため、問題集などで対策することが難しいので授業をまじめに受けていないと全く点数がとれません。定期テストで実技科目の点数が振るっていない場合は授業の受け方を再考する必要があるでしょう。
とにかく
「授業を聞かなくても、後から塾に行って勉強すればいい」
「テスト前に勉強しなおせばいい」
などと考えてるうちはいつまでたっても成績は改善しません。前回の記事で書いた通り、日々学校で長時間かけて勉強していることをもう一度全て勉強しなおす時間などありません。身近にいる”あんまり勉強してないのに成績がいい子”というのは学校の授業をちゃんと集中して受けているので、後から勉強しなおさなくてもすんでるだけです。
教育というものは教える側と教わる側のコミュニケーションです。
教える側だけがどれだけがんばっても、教わる側がしっかり前を向かないと絶対に上手くいきません。
学校公開に行った際にはぜひお子様の授業の受け方をチェックしてみましょう。先生がしゃべっているとき、横を向いたり下を向いたりしないでしっかり先生の方を向いているかどうかを確認してください。ちゃんと「授業を受ける」ということは、視線だけでなく、顔も、体も、意識もそちらに向いている必要があります。
時間がないと嘆く前に、まず学校の授業を大事にしましょう!